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睡眠の質を上げる鍵は血流だった!


便秘に血流が関係するって本当?

最近、ぐっすりと眠ることができていますか?


何かと忙しい現代社会において、少しでも睡眠の質を高めたいと思っている方は多いのではないでしょうか。睡眠の質が悪くなると、仕事の生産性が低くなるだけでなく、様々な病気の原因になることも…。


睡眠の質を高める一番の近道は血流を良くすることです。

睡眠と血流の関係性についてご紹介します。



目次


そもそも睡眠の質が良いとは?

睡眠

「睡眠は量より質」と聞いたことがある方が多いと思いますが、「質の良い睡眠」とはどういった状態でしょうか?


質の良い睡眠とは、①寝つきがよく、②深く眠れたと実感すること、③ 目覚めが良い(スッキリと目覚めることができる)の3つが挙げられます。


睡眠によって心も体も充分に休めていることが重要です。これらは主観的な感覚が多く含まれていますが、近年はウェアラブル端末や睡眠計を使用することで「睡眠の深さ」を測定することができます。


ヒトの睡眠は大きく「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」に分けることができます。

レム睡眠とはRapid Eye Movement(急速眼球運動,REM)という名称で、レム睡眠中は目がぴくぴく活発的に動いています。目が動くと同時に筋肉が弛緩された状態になっているので、夢見の内容を行動に移さないようにできています。このレム睡眠中は、脳が活発的に働いているので記憶の定着整理や定着に寄与しています。

一方、ノンレム睡眠は、REMがない状態であり、脳は休息している状態で脳や身体の疲労回復のために重要だと言われています。


正常なヒトの睡眠は「覚醒→浅いノンレム睡眠→深いノンレム睡眠→浅いノンレム睡眠→レム睡眠」という1サイクル約90分周期のリズムを1晩に4〜5回繰り返し、朝の覚醒を迎えます。これらのリズムをウェアラブル端末等では心拍数や睡眠中の体動を捉えて、睡眠の質を評価しています。

 

睡眠が心身に及ぼす影響とは?
デスクワーク

ヒトは人生の約3分の1もの時間を睡眠に費やしており、眠らなければ生きていけない生き物です。

睡眠は積極的・能動的に脳・心・身体のメンテナンスを実行していることが明らかになっています。すなわち、睡眠は日中に蓄積した疲労を回復させるだけでなく、記憶の整理や脳の老廃物除去といった働きをしているとても重要なヒトの行動だということが近年わかってきました。

しかしながら、厚生労働省が実施した令和3年度健康実態調査結果によると、睡眠時間のとれている度合いについて尋ねた項目では、「夜中、睡眠途中に目が覚めて困った」と回答した方が44.6%、「日中、眠気を感じた」が37.2%、「睡眠の質に満足できなかった」が34.7%となっており、睡眠に課題を抱える日本人が一定数いることがわかります。


身体のライフラインである自律神経のバランスは睡眠の質を左右します。

自律神経のバランスとは交感神経(緊張活動型)と副交感神経(癒しリラックス型)がスイッチのように1日を通して切り替わることを指します。活動をしている日中は交感神経がよく働いていますが、健康なヒトでは睡眠時間前になると副交感神経の働きが高まり、眠りを誘導します。

しかしながら、この時間帯でのスマートフォンの利用やストレス等により交感神経が活発な状態が続くと、眠ることが難しくなります。また、交感神経が高い状態で眠りについてしまうと、いわゆる眠りの浅い状態になってしまいます。そうなると、成長ホルモンなどの分泌や胃腸の働き、免疫(風邪のひきやすくなる)に影響が出てしまい、いわゆる身体の不調につながります。

また、睡眠は記憶の定着や脳の老廃物の除去を促しますので、認知機能の低下にもつながります。


毎日の睡眠の質を保つことは、心と身体の健康を保つためにとても重要です。


 

睡眠の質を高める方法

入浴

これまでみてきたように睡眠の質を高めるためには、入眠前に「寝るスイッチ」を確実に入れることが重要です。


入眠のメカニズムをより深く見ると、入眠の数時間前から深部体温が下がり始めることがわかっています。この深部体温は身体の中にある一定のリズムによってコントロールされていますが、皮膚表面から熱を逃すシステム(熱放散)が働くと、深部体温が下がり、それに伴って体は休息状態になり眠気が訪れます。


赤ちゃんの手が暖かくなるとそれは眠むたいサインだとよく言われますが、これはこの熱放散が働いているためです。この熱放散を調整しているのが自律神経のうちの副交感神経です。

特に、入眠の数時間前に、入浴やストレッチなど全身の血流を良くすることで副交感神経のスイッチを入れて熱放散を促すことがとても重要です。冷え性のヒトの中で寝付きが悪いヒトが多いのはこの熱放散が働いていないためなので、入眠前に血流を良くする習慣を見つけるとよいでしょう。


入眠前に一番気軽にできる血流を良くする習慣は入浴です。入眠前の1〜2時間前に、38〜40℃のぬるま湯にゆっくりと浸かることで全身の血流が良くなり、かつ副交感神経のスイッチを入れることができます。


 

まとめ


スッキリとした目覚め


近年睡眠の重要性が注目されてきており、生活の質を高めるために睡眠の環境整備に投資する方も多くなっています。しかしながら、現代社会はストレス社会であり、自律神経のバランスが崩れがちです。日々の質の高い睡眠を行うために、入眠前の血流を良くして副交感神経のスイッチをしっかりと入れましょう。



参考文献)

1)厚生労働省.令和3年度健康実態調査結果の報告

2)杉田正明・片野秀樹.「休養学基礎: 疲労を防ぐ! 健康指導に活かす」.メディカ出版,2021.

3)永島計.「体温の「なぜ?」がわかる生理学―からだで感じる・考える・理解する」.杏林書院.2021.


 

監修者:森下竜一

昭和62年大阪大学医学部卒業。米国スタンフォード大学循環器科研究員・客員講師、大阪大学助教授を経て、平成15年より大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授(現職)。内閣府 健康・医療戦略室戦略参与、日本遺伝子細胞治療学会理事長、日本脳血管認知症学会理事長、日本抗加齢医学会副理事長、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会総合プロデューサーなどを務める。新著に『新型コロナワクチンを打つ前に読む本』など。



ライター:鍼灸師 黒井俊哉

大学院にて慢性頭痛の研究を学んだあと、一般企業に就職し、通所介護事業の新規立ち上げに従事。その後、「認知症の超早期発見と重症化予防プロジェクト」に従事し、認知機能の低下の早期発見について研究を行う。その成果を論文として執筆し、令和2年度日本早期認知症学会論文賞受賞。現在は、高齢者を中心に、介護予防に関する講演活動を実施している。


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