2023年も大変厳しい暑さが全国的に続いています。
日本気象協会の発表によると、この暑さは9月も全国的に続きそうです。
長く続くこの暑さで、ついつい冷たいものばかり口にしていませんか?
冷たいものばかり口にしていると、内臓が冷えてしまい、血流が悪くなり、様々な不調の原因になります。
また、その不調を放置しておくと、秋バテの原因となります。
季節の変わり目だからこそ、血流を良くして、秋を迎える準備をしませんか?
目次
・まとめ
夏の冷えの特徴は?
夏の冷えの特徴の一つとして、「内臓の冷え」があります。
冷たい食べ物・飲み物を取る機会が多いと、その度身体が急速に冷やされ、血流が悪くなり、内臓も冷えやすくなります。
試しに、お腹やお腹まわりをご自分の手で触ってみてください。お腹が冷たく感じる方は、内臓が冷えているかもしれません。この冷えを放置してしまうと、下痢やおならなど、いわゆる、夏場によく見られるお腹を下すことにつながります。
また、内臓の冷えは更に血流を悪くし、自律神経のバランスを崩します。自律神経のバランスが崩れてしまうと、「疲れやすい」、「頭痛」、「免疫力の低下」などの体の不調として身体に現れてきます。
特に、この時期の免疫力低下は、夏風邪などにつながりますので、夏場の冷え対策は感染症対策としても非常に重要です。
夏の冷えの原因は?
これまでご紹介してきたように、「夏の冷え」の原因は、冷房の長時間の使用や身体を冷やす食べ物・飲み物の摂り過ぎが主に挙げられます。
冷房の効いた部屋に長時間いると、体温を維持しようと皮膚の血管が収縮します。この血管の収縮が続くと、血流が悪くなり、手足の冷えの原因となります。
また、外の暑さと冷房の効いた部屋の温度差があると、身体がうまく対応できず、自律神経が乱れ、さらに血流が悪くなります。加えて、冷たい食べ物の摂り過ぎは内臓を冷やしますが、内臓が冷えると、胃腸の血流が悪くなります。そのことによって、消化吸収がうまく行われずに、食欲不振や下痢などの胃腸のトラブルにもつながります。
また、運動不足も原因として挙げられます。特に、熱中症予防の観点で外出を控えたりすることで、運動不足になりやすい季節です。
ちなみに、東洋医学的には、急激な気温変化など体外からの寒邪(かんじゃ)の影響で、身体を冷やす陰の力が強くなることによって起きると考えられています。
やはり、夏の不調対策には血流を良くして、身体を温めることが重要ですね。
残暑を乗り切る対策とは?
この夏の冷えをそのままにしておくと、秋の涼しくなってきたときに現れる「秋バテ」にもつながってしまいます。この夏の不調は、夏のうちに改善しておきましょう。
1.適度な運動
暑い季節はなかなか外で運動するのが難しいですが、家の中で身体を動かしましょう。例えば、家事などをしながら行う「ながら」運動はいかがでしょうか?立ち仕事をしているときに、かかとの上げ・下げを行うことで、第二の心臓と言われるふくらはぎの血流を良くします。
2.冷房で冷えた体を内から温めるレシピ
サバの黒糖ジンジャーソース
分量
(1人分)
・サバ1切(80g目安)
・塩0.5g
*塩サバでも可能(その場合は塩不要)
<タレ>
・白ネギ10g
・生姜3g(チューブでも可)
・おろしにんにく1g
・ゴマ油2g
・黒糖4g
・ポン酢しょうゆ10g
・七味 適量
<付け合わせ>(お好みで、今回はかぼちゃとインゲン)
・かぼちゃ
・インゲン
<作り方>
●サバの下処理
①サバの表面に塩を振りかけ、5~10分ほど置く。
②水分が浮き出てきたら、キッチンペーパーで水分をふき取る。
*塩サバの場合は酒を振り5分ほど置き、ペーパーで水分を取ると程よい塩分に。
●たれ作り
③生姜、ネギはみじん切りにする
④ごま油を熱し、にんにく・生姜・ネギを1分ほど中火で炒め、香りを立たせる。
⑤ポン酢しょうゆと黒糖を混ぜ合わせ、④を加える。七味をお好みで混ぜる。
⑥サバを魚焼きグリルで焼く
⑦焼いたサバにタレをかけ、付け合わせを添えたら出来上がり
★栄養素のポイント
・ショウガオール・ジンゲロン
生姜に含まれる辛み成分のジンゲロールは、過熱するとショウガオールやジンゲロンという成分に変化します。このショウガオールは末端の血流を改善し、体を温める作用があります。また、ジンゲロンも同様に血流改善効果がある他、胃腸を刺激し消化吸収を助け、食欲改善の効果があります。
・黒糖の栄養素
黒糖には白砂糖と比べてミネラルが豊富に含まれています。特にカリウムが白砂糖と比べて多く含まれており、カリウムには体の水分を体外に助ける働きがあり、むくみの改善にも繋がります。
まとめ
暑い時に冷たい飲み物を楽しむのはとても美味しいですよね。
しかし、何事も適度が大切です。
冷たい飲み物を摂った後は、常温のお水を飲むなど、身体を少し休める工夫が必要です。
「食欲の秋」を迎えるために、今のうちから血流を良くしていきましょう。
監修者:森下竜一
昭和62年大阪大学医学部卒業。米国スタンフォード大学循環器科研究員・客員講師、大阪大学助教授を経て、平成15年より大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授(現職)。内閣府 健康・医療戦略室戦略参与、日本遺伝子細胞治療学会理事長、日本脳血管認知症学会理事長、日本抗加齢医学会副理事長、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会総合プロデューサーなどを務める。新著に『新型コロナワクチンを打つ前に読む本』など。
レシピ監修者:管理栄養士 金子隼士
株式会社 NITTA JAPANが横浜市青葉区で運営する総合リハビリケア施設BALENAにて管理栄養士業務に従事。同施設の食事提供業務運営の他、栄養相談や講演会、メニュー開発やレシピ監修等の活動を行っている。また、地域活動に注力し、地域高齢者の健康管理に関するイベントの企画、運営に携わっている。
ライター:鍼灸師 黒井俊哉
大学院にて慢性頭痛の研究を学んだあと、一般企業に就職し、通所介護事業の新規立ち上げに従事。その後、「認知症の超早期発見と重症化予防プロジェクト」に従事し、認知機能の低下の早期発見について研究を行う。その成果を論文として執筆し、令和2年度日本早期認知症学会論文賞受賞。現在は、高齢者を中心に、介護予防に関する講演活動を実施している。
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